講演会:キトラ古墳壁画に迫る―高松塚古墳壁画との比較から―」に行く

2014年5月
史上初めてキトラ古墳・高松塚古墳の修復中の壁画が奈良県外へ出されました。
出張場所は東京国立博物館。通称トーハク
4/27のゴールデンウィーク期間中に一度見に行きました。その時の様子はこちら>>

この特別展を記念して講演会が開催されました。

画像出典:http://www.tnm.jp


特別展「キトラ古墳壁画」記念講演会(2)「キトラ古墳壁画に迫る―高松塚古墳壁画との比較から―」



チケットは事前申込制。
参加人数の多い場合は抽選とのことでしたが、参加権郵送されてきました。

時間:13:30~15:00
場所:東京国立博物館 平成館-大講堂
講師:有賀祥隆(東北大学名誉教授)

13:00ごろ着で博物館へ。
入口を入るとキトラ古墳展が行われている本館に長蛇の列。
先週の同じ時間より長い・・・。
会場入場まで90分。

講演会場である平成館へ。
大講堂入口にも列が!
当日受付に30~40人?程度の列。
当日キャンセル待ちに同じくらいの列。

なんだこれ。
ついに来た?古墳ブーム!?

しかしこれだけ人気があるのに、何故いつも古墳には人っ子一人いないのだろう。
おかしいな。

あれか?

日本代表は人気があるけど、日本リーグは今ひとつっていう、日本のスポーツ状態か?

講演会は以下の構成
1)2つの古墳の所在地と位置関係
2)壁画の主題と構図
3)図像
5)表現方法
6)制作年代

2)~5)がメインでした。
本や、明日香村のパネルでは触れられていない細かい特徴や、素人目では似ているように見える高松塚古墳壁画とキトラ古墳壁画の違いなど。
また、中国の壁画との比較などは面白かったです。

印象的だった点
■群像を描く場合は、一人だけ進行方向とは逆を見ている人物を描き、方向を遮るの描き方は唐から。

■西壁・女子群像の緑の服を着た女性の上着の裾に横ジワがある。 これも中国の壁画に同じデザインが見られる また、群像を描く場合は頭の位置を合わせて描く、イソバリックという描き方が通常らしいの ですが西壁は頭の高さが違う。このことから西壁を担当した絵かきの中に、やんちゃな人がいたのではないかと推測されていました。当時のやんちゃなエリートアーティスト 笑。いつの時代にも先鋭的と呼ばれる芸術家は存在するのですね。

■高松塚古墳の下書きはあまり良くわからないが、キトラ古墳には下書きが割と残っている。特に白虎の胴体、朱雀の尾っぽに良く見える

■失われた高松塚古墳の朱雀の姿を考えるのも、ワクワクしました。
 キトラの朱雀と同じ描き方(先生はキジみたいと言っていた 笑)をしているものは日本にはほとんどない。高松の朱雀はキジみたいなのではなく700年ごろ、良くデザインされていた飛び立とうとする朱雀だったのかも知れない。

■白虎と青龍のしっぽの描き方。
 通常しっぽは後ろになびかせ疾走感をだすが、キトラと高松の壁画は、尻尾を足に巻きつけてまっすぐ上に伸びている。 同じデザインが、正倉院の最重量・鏡に見られるそうです。

たくさんの貴重な画像とともに講演してくださったのでわかりやすく、あっという間の90分でした。終了後に係の方から「キトラ古墳展入場 60分待ち、壁画まで30分待ち」というアナウンスが。

夕方になればすくかなと思い、平成館の考古学ルームを鑑賞。外に出ると列が短くなっていたので、並ぶことに。待つこと60分。4月27日も来ていますが、講演会で勉強した後に壁画を見るとまた違った見方ができます。

「しっぽ、しっぽびーーーんってなってる!笑!
 
 男子一人だけ全然違う方見てる!
 
 あごあご。イケメン 笑
 
 裾!裾にシワ~~!!」

全て脳内の独り言です。頭の中で大こーふん。
行くたびに新しい発見がある。
そこも古墳の魅力です。